孔子像
孔子像
こうしぞう
渡辺崋山/天保9年(1838)
 この堂々とした慈愛に満ちた、そして異国情緒の趣もある孔子像は、天保9年(1838)、崋山46歳の時の作品である。この孔子像は、中国の呉道玄の描いた孔子像とよく似ており、崋山は参考にしたのであろう。
 この作品は三宅友信が33歳の時に制作したようになっているが、それは、この作品が田原藩校成章館で行われた孔子を祭る儀式である釈奠(せきてん)のために描かれ、藩主・藩士の礼拝の対象となったからである。また、崋山の友信に対しての忠義と愛情からでもあろう。
 図中右下には「天保戊戌五月念三日後学三宅友信薫沐拝寫」の落款と白文方印の「友信之印」が捺されているが、作品自体は画態、筆跡共に紛れもなく崋山のものである。
員数:一幅
材質彩色:絹本着色
法量(cm):145.0×81.4

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