田原市博物館|平成25年 新春企画展

生誕100年 杉浦明平の眼

2013年1月5日(土)〜2月11日(月・祝)

開館時間 午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 毎週月曜日
※ただし1月14日、2月11日は開館し、1月15日は休館します。
観覧料 一般400円(320円) 小・中学生は無料
( )内は20名以上の団体割引料金です。
主催 田原市博物館
展示作品 → 展示作品リストはこちら

杉浦明平は、1913年、愛知県渥美郡福江町(現田原市折立町)に生まれた。豊橋中学、第一高等学校、東京帝国大学国文学科と進み、立原道造や寺田透らと同人誌などを創刊した。短歌の「アララギ」に入会し、土屋文明に師事。第二次世界大戦中、郷里に戻り、1955年から町議会議員を務め、その間の見聞を元に、海苔養殖の利権争いを『ノリソダ騒動記』で発表、その後も共産党員の活動記録『基地六〇五号』、映画化もされた『台風十三号始末記』、『夜逃げ町長』などのルポルタージュ記録文学が評判になり、注目を集めた。1962年に共産党から離れた後は、畑仕事にいそしみながら、郷土の渡辺崋山をはじめとした江戸時代の文人を取り上げた小説や評論、食べ物エッセイ、翻訳などの多分野で活躍。1971年に『小説渡辺崋山』で毎日出版文化賞、1977年に中日文化賞、1995年に『ミケランジェロの手紙』翻訳で日本翻訳出版文化賞の特別功労賞を受賞。

今回は、2010年の企画展に続き、杉浦明平の刊行作品や未発表の書簡などを通し、新たな「みんぺーさん」の魅力を探ります。

展示構成

  1. 生い立ちと家族
    ふるさと渥美、家族らの写真、豊橋中学校時代の交流、歌に逢う
  2. 青年時代 東京
    第一高等学校、東京帝国大学時代の交流、詩人、立原道造に贈った『少年歌集1931』や往復書簡、『未成年』の仲間、アララギ、興亜院
  3. ふるさと渥美へ帰る
    アララギ、共産党入党、政治の世界へ、細胞生活、町会議員
  4. 研究・批評・翻訳
    『ルネサンス文学の研究』、文学批評、『ピノッキオの冒険』(1974年から2003年まで3種類)などの児童文学書、ミケランジェロ
  5. ルポルタージュ
    『ノリソダ騒動記』『台風十三号始末記』『町会議員一年生』など
  6. 小説 歴史
    歴史『小説渡辺崋山』関係資料
  7. 映画 演劇
    『台風騒動記』ポスター(1956公開)、『赤い水』ポスター(1963公開、森光子など出演)スチール写真
  8. エッセイ 旅と食
    『わたしの崋山』『暗い夜の記念に』『カワハギの肝』『私の家庭菜園歳時記』
  9. ふるさとへの眼差し
    『ボラの哄笑―渥美風物誌』『老いの一徹、草むしり』

おもな出品資料

文壇、出版業界、映画関係、文化人との交流を示す手紙
明石博隆・荒正人・生田勉・猪野謙二・上野英信・瓜生忠夫・扇畑忠雄・小山正孝・河合俊郎・神田澄孝・木下順二・国友則房・五味保義・権田忠雄・近藤芳美・斎藤喜博・佐々木基一・柴生田稔・品川力・高安國世・田宮虎彦・土屋文明・寺田透・中野重治・野間宏・塙作楽・埴谷雄高・土方定一・富士正晴・本多秋五・前山周信・正宗得三郎・丸山薫・丸山真男・八木喜平・山本薩夫・ 吉田漱ら

自筆原稿、映画シナリオ、写真なども展示
※会期中、一部展示替を行います。

期間中の催し物

展示解説

1月13日(日)・2月3日(日)午前11時から
当館副館長鈴木利昌/博物館内/要観覧料

博物館講座

「渡辺崋山を知るために」
1月11日(金)・2月11日(月・祝)午前8時45分/崋山会館

図録販売

今回の企画展の図録を販売します。出品資料の図版が数多く掲載され、みんぺーさんの若い頃から晩年までの写真や年譜、文献目録も掲載されています。この機会にぜひお買い求めください。

●価格 1,500円(税込)
A4版、カラー・1色/128ページ/無線綴じ